摂食嚥下外来
診療内容の概要
社会の高齢化により、脳卒中や認知症、パーキンソン病など高齢者に多く見られる疾患が原因で食べる機能、飲み込む機能に障害(摂食嚥下障害)を持つ方が増加しています。また、脳性麻痺、ダウン症、自閉症などの先天性の病気では、摂食嚥下機能が正しく獲得されず、発達に遅れを生じることや、成人期以降は早期から摂食嚥下機能の低下がみられることあります。
摂食嚥下リハビリテーション診療は、摂食嚥下機能障害がある患者さんに対して、簡易検査・精密検査による評価を行い、その結果をもとに指導・訓練および適切な食事形態や食事摂取方法のご提案を行います。精密検査は主に嚥下造影検査または嚥下内視鏡検査を行います。さらに、摂食嚥下に重要な口腔機能の検査なども行い、総合的に評価します。現在、お口から食べておられる方の場合は、実際のお食事をご用意いただき、食事場面での評価も行います。
嚥下造影検査(Videofluoroscopic examination of swallowing; VF)
食べたり飲み込んだりするときの様子をレントゲン動画撮影によって観察します。普段外側から見えない、食べている時の口の中やのどの様子を画像で確認できます。食べ物や飲み物に硫酸バリウムなどの造影剤をまぜて、レントゲンで見える状態にして食べ物を食べていただき、上手に噛めているか、口や咽頭に停滞していないか、飲食物が誤嚥(気管に入ること)をしていないか、嚥下に関連する器官の動きに異常がないかを確認します。
嚥下内視鏡検査(Videoendoscopic examination of swallowing; VE)
直径約3mmの非常に細い内視鏡を鼻から挿入し、咽頭部を観察しながら摂食していただくことで、誤嚥や食物の喉のあたりの残留の状態を確認します。VFで観察することができない、唾液の誤嚥や、微細な誤嚥も確認できます。当院では高画質な電子スコープによってより精密な嚥下評価を行います。
口腔機能検査
摂食嚥下機能に関わる口腔の機能検査として、舌圧検査、咀嚼能力検査、咬合圧検査、口唇閉鎖力検査なども行っております。
食事形態、食事摂取方法の指導
検査結果や食事場面を観察しながら、現在の機能や発達に見合った食事の形態や姿勢、食具などをご提案します。現在食べられない方でも、食事形態や食事摂取方法を見直すことで口から食べられるようになる場合があります。まずは現状の摂食嚥下機能で、必要な栄養摂取が可能な方法をみつけていきます。
摂食嚥下訓練
食べ物を用いない基礎的な訓練(間接訓練)や、食べ物を用いる訓練(直接訓練)を行います。訓練は、診療時だけではなく、ご本人や普段介護をしている方と協力して、日常生活の一環として取り入れて行っていただき、再診時にはその確認をします。
特徴・特色
診療室内に嚥下内視鏡検査室と嚥下造影検査室を整え、摂食嚥下障害の診断に役立てています。嚥下指導室には栄養指導用キッチンを設け、家族との食卓を再現することで摂食嚥下に障害をお持ちの患者さんにストレスを与えずに食事観察が行えるよう、マジックミラーとライブカメラで観察すること出来るようになりました。
高度の要介護状態の方には訪問診療も可能です。完全予約制となりますので、事前にお電話でご相談ください。
主な対象疾患・治療項目
- 摂食嚥下障害(食べる機能の障害)
- 口腔機能低下症(口の機能の低下)
- 口腔機能発達不全症(口の機能の発達の遅れ)
診療日時のご案内
- 新患受付:
月曜日~金曜日 - 紹介制:
かかりつけの医師・歯科医師からの紹介状をお持ち下さい。 - 予約制:
診療をご希望の患者さんは、必ず電話等で予約をお取りください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午後 |
注)診療日時には、訪問診療のために、外来に不在の時間も含まれます。
受付時間
初診と再診で受付時間が異なります。ご注意ください。
初診受付
8:50~11:30 / 13:00~16:00
再診受付
8:50~16:30
受付連絡先
お問合せの際には、番号をお確かめのうえ、くれぐれもお間違いのないようご注意をお願いいたします。
TEL | 046-822-8874(直通) |
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スタッフ
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