診療科のご案内

顎変形症について

当院での取り組み

近年、医用画像処理技術は著しい発展を遂げています。顎変形症の分野においても、CT画像を用いることで、より正確な診断、治療計画および治療技術を患者さんに提供できるようになってきました。
神奈川歯科大学附属病院では、CTおよび口腔内スキャナーによる3D画像とCAD/CAM技術を用いた手術支援システムを独自に開発し、その精密性、有用性および安全性に関して、これまで多くの学会や学会雑誌等で発表してきました。本システムを用いた一例を以下に示します。

顎変形症 手術支援システム

外科手術前の
歯列矯正終了時
外科手術後の
歯列矯正終了時
外科手術前の歯列矯正終了時 外科手術後の歯列矯正終了時

*プライバシー保護のため写真を一部加工しています。

治療内容 上顎骨はLe FortⅠ型骨切り術、下顎骨は下顎枝矢状分割術を行い、以下のような顎骨の移動を行いました。
  • 上顎骨:
    噛み合わせの面が傾いて(赤斜線)後ろにさがっていたため、右側を上方に、全体を前方に移動しました。
  • 下顎骨:
    横にずれて(赤線)前にでていたため、左右対称になるように、後方に移動しました。
なお、顎のずれ方によって、下顎骨または上顎骨単独の手術か上下顎骨両方の手術を行います。
治療期間 入院期間は 14日間でした。一般的には10~14日間です。
入院・手術費用 本症例のご本人負担額は約200,000円でした。公的医療保険(3割負担)の場合は、約60,000円~約300,000円(限度額適用認定証所得区分によって異なります)。
また、個室の利用を希望された際は、1日につき6,600円~17,600 円別途必要となります。費用に関する相談はカウンセリング時に承ります。
リスク 永久的なしびれ*はなく、輸血は行いませんでした。また、上顎骨の手術の場合、鼻の形が変わる可能性がありますが、本患者さんからは鼻の変形の訴えはありませんでした。その他のリスクとして、非常に稀ですが、歯が死んでしまったり、骨が壊死を起こしてしまったという報告もあります。

*しびれの範囲:上顎骨の手術の場合は、頬、上唇、鼻、上顎歯肉。下顎骨の手術の場合は下唇、舌、下顎歯肉。

また、当院での顎変形症手術症例数は年々増加傾向で、昨年度は70件(下顎枝矢状分割術単独が42件、Le FortⅠ型骨切り術+下顎枝矢状分割術が28件)でした。約半数は、関連施設や横浜市・川崎市といった関東エリア内の矯正歯科専門開業医の先生方からのご紹介患者さんで、ご紹介元の医院でご購入された3Dシステムや従来のペーパーサージェリー/モデルサージェリーで決定された顎位・手術方針についてのご相談もメールで承っております。

ご紹介患者様の診療の流れ

当科といたしましては、患者さんに安全、安心、そして質の高い医療を開業医の先生方とともに提供したいと考えております。その一環として、患者さんには電話一本でお待たせすることなく、スムーズな診療を受けていただける以下のような体制を取っております。ご不明な点がございましたらご遠慮なく電話またはメールにてご相談ください。

  1. ご紹介元医療施設(顎口腔機能診断料算定指定医療機関)
    ・検査、診断
  2. 患者さんが口腔外科に電話予約
    ・患者さんに持参していただく書類
    1)紹介状
    2)顎口腔機能診断説明書(ご自由にお使いください。以下の項目は未記入でお願いします。)
     ①口腔外科医が記載する項目:連携保険医療機関名、担当歯科医師名
     ②患者さんが記載する項目:説明を受けた日、説明を受けた人
  3. 口腔外科初診
    ・手術説明
    ・顎口腔機能診断説明書の未記入項目に口腔外科医および患者さんがサイン
  4. 術前矯正治療開始・終了
  5. 患者さんが口腔外科に電話予約
  6. 口腔外科再診
    ・手術日決定

ご相談先

神奈川歯科大学附属病院口腔外科外来 教授 安部 貴大

TEL 046-822-8895
メール abe.takahiro@kdu.ac.jp
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